「はてな」の観察(染谷商店のブログ)

革製品ブランド「sugata」を企画する、染谷商店のブログです。

青空に現れる白い点の正体がわかった話。

私は幼い頃、ボール遊びが好きだった。

いつまででも飽きることなく、夢中になってボールを追いかけることができた。

 

これは、そんな私が小学3年生か、4年生だった頃の話である。

 

雲ひとつない、快晴。

その日も、私は友人とサッカーボールでひとしきり遊び終えた後、

少しばかり傾斜のついた芝生に寝転んでいた。こう言うと、

いかにも心地好さそうに聞こえるが、実際には芝生の先端がチクチクと

背中に刺さるうえ、陽射しも強く、ジリジリとやたらに暑い。

真っ青な空はあまりに眩しく、目をしっかりと開いていることもできない程だ。

薄目でぼんやりと青空を眺めてみる、眩しい空にもだんだんと目が馴れていく。

するとそのとき、私ははたと気がついた。無数のちいさな白い点が

縦横無尽に視界の中を走り、表れては消え、表れては消えを繰り返していたのだ。

 

ちょうど部屋の天井くらいの高さに焦点を合わせる感覚。

それは、激しくまばたきをしても消えることがない。

視線を左右に動かすと同時に視界を移動する。

どうやらこの白い点々は、空中や目の表面にあるのではなく、

眼球の中に存在するようだ。

 

「目の病気かも知れない。」

 

当時小学生だった私は、不安に襲われた。

しかし、その現象はそれ以降日常生活の中に現れることはなかった。

そして、曇り空にも現れることはなかったのである。

わざわざ眩しい思いをしてまで、青空を眺める機会など人生には

そうないもので、「視力2.0」を自負する私は、いつの間にかその心配な

気持ちをすっかり忘れていた。

 

 

さて、そんな私は、今年の4月から東京都台東区の創業支援施設

台東デザイナーズビレッジ」に拠点を移して活動している。

部屋には、大きな黒板とロッカー。小学校の教室を改築した、珍しい事務所だ。

引っ越しの荷物を運び入れた私は、窓の拭き掃除をしていた。

 

空は快晴。

窓を拭きながらぼんやりと空を眺める。

そのときふと、あのちいさな白い点が、子どもの頃に見たそれと変わらず、

視界の中を無数に走っていることに気がついた。

 

大人になった私は、廊下で雑巾をすすぎながら、

「本当のところあれは一体何なのだろうか」と考えてみた。

当時に比べれば多少は増えた知識。

それをもってしても、相変わらず正体は不明だ。

事務所に戻りスマートフォンを手に取る。

「青空に見える白い点々」と検索する。

検索のトップに表示されたのはウィキペディア

「ブルーフィールド内視現象」の文字。

 

ブルーフィールド内視現象 | 青空の妖精と呼ばれる、ちいさな光点が

視野の中を急速に動き回る現象。特に青空のような明るい青い光を見た時に

見える。その正体は眼球内、網膜の前にある毛細血管を走る「白血球」である。

 

他にも、いくつか関連のありそうなウェブサイトを見たが、

どれも内容は似たようなものだった。

 

つまり、あの白い点の正体は血液を流れる「白血球」だったのだ。

体内に侵入する細菌やウイルスを排除してくれるという「白血球」。

それを、まさか顕微鏡も使わずに目視することができるなどとは

思いもよらなかった。

 

再び窓の外に視線を移す。

空には、やはりちいさな白い点が元気に走り回っていて、

私は妙に脱力してしまった。

 

 

小学生の私は、自分の免疫細胞が元気にはたらいている様子を見て、

不安に陥っていたのであった。

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